【パスカルno小言 Vol.57】空気を読む
交渉の場に通訳として参加することがあるのだけれど
日本人特有の「空気を読む」
あるいは「空気を読ませる」
あの感じ…
なかなか厄介モノなのです。
当然ながらその「空気」は
言葉にしていないわけだから訳せないし
実際に言葉にしている事が
「空気」で伝えようとしていることと
ちょっとずれていたりする。
通訳は話していることを訳しているわけだから
「~~と笑顔で言っているけど、実際は全然納得していないよ」なんて
しゃしゃり出て訳せないわけです。
ところが日本側としては
「その辺のところも(この表現もかなり空気的です)うまく伝えてよ」
なんて言ってくるし
外国人からしてみたら
「で、実際は先方はどう思っていたわけ?」
相手の気持ちがさっぱりわからんと詰め寄ってくる。
この見えない「空気」の探り合いで、
結局同じ会議を何度も繰り返すなんて事も珍しくない。
でも外国人が「空気を読む文化」を否定しているかというと
そうでもないんですよ。
「日本人との交渉の仕方」なんてコラムや本が結構あったりもするので
外国人も何とか日本人的交渉術を理解したいと頑張っているんだと思う。
外国人との交渉時できれば、
その辺りの外国人側の空気も読んで頂いて
日本的空気を少し「言葉」にしてもらえると
通訳的にも大変助かるんだけど。
そんなお願いをしたら、
(空気読めよ)
って怒られるかしらね。
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