【パスカルno小言 Vol.78】犬の値段
テオと散歩をしていると時々「査定」されることがある。
「これ、ティカッププードルでしょ?高いんだよねー」
「ン十万するんでしょ?」
テオは保護犬ではないので、私は実際にお金を出して
テオを我が家に迎え入れた。
テオのお値段のことを言われるたびに
(そう、私はテオを「買った」のだ)と
心がチクチク痛む。
自分で購入しておきながら、言えることじゃないのかもしれないけれど
人気度やトレンドに応じてペットに値段をつけるってやっぱりおかしな事なんじゃないかと思う。
しかもお値段をつけられたペットたちが、
20%オフとか30%オフとか
まるで型落ちしたように売られる事が
気の毒で仕方がない。
ヨーロッパのペット市場は日本とかなり違う。
まずペットショップでペットは”展示販売”されない。
禁止されているのではなく、一頭あたりの占有面積をかなり広く取らなければならないとか、子犬は店頭で販売できないとか、販売店に課せられる条件がとても厳しいため、実質的に展示することができないらしい。
また、飼う側にも厳しい適正チェックが行われるので衝動的にペットを飼うとか、気に入ったから連れて帰ろうなんて事は出来ない。
飼うと決めてから、何ヶ月もしないと家に迎え入れられないなんてこともある。
ペットの値段にしても考え方が大きく違うのは、ペット自身の価値というよりも「飼育などの経費」が対価になっている事。
だから驚くかもしれないけれど、保護センターからペットを引き取った場合でも無償ではないし、保護センターとペットショップで著しくその価格が違うということはない。
1兆5000万規模の日本のペット産業
大手企業が参入し、新たなサービスもどんどんでてきているけど
販売の仕方
飼い主側の条件
入り口部分は日本では随分手付かずなように思う。
ヨーロッパのようなシステムを導入したら、
利益は減るかもしれないけど
犬でも人間でも同じ命
それを扱うことの責任と、飼う側がどう責任を全うするか
ヨーロッパに見習うべきところがたくさんあるように思うんだけど。
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