【パスカルno小言 Vol.60】メディアのあり方
パリのノートルダム聖堂の火災
予想だにしなかった事態だけに
フランスに限らず、各国に衝撃が起きています。
このような事故や事件が起きると
フランスやヨーロッパのメディアがどんな記事を取り上げているのか、リサーチ、翻訳して欲しいという依頼がテレビ局などからきます。
「火災の災難に免れたシンボルの二つの塔」
「奇跡的に残った薔薇窓や収蔵品」
「ユダヤ教、イスラム教団体からの寄付。復興のために宗教間で団結」
フランスでは、このように
何とか希望を見出そうとするポジティブな報道も多いのですが
日本側のメディアが取り上げるのは
「もう見れない文化財、悲しみに暮れるフランス市民」
「失われた中世の収蔵品」
「取り返しのつかない喪失」
よりセンセーショナルな部分を伝えようとします。
もちろん、フランス市民は悲しみにくれているし
取り返しのつかないものを失ったのも事実なのだけれど
一部だけを切り抜くと
ニュアンスが変わってしまいますよね。
切り取り方法に多少違和感を感じることもあるのですが
これは日本に限ったことではなく
ヨーロッパでも日本の事件や事故の取り上げ方が、少し偏っていたり、疑問を抱くこともあります。
お互い様なのでしょう。
だから尚の事、他国の報道も見ておかないと変な方向にリードされちゃうなぁと実感します。
最近は、翻訳アプリもかなり高度になってきました。ニュースタイトルを翻訳するだけでも、その温度差がわかります。
バランスのとれた情報収集、心がけたいですね。
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