道頓堀近くで串カツ屋の店長をしているけんちゃん。
22歳。少しシャイ。

1人でお店を切り盛りしていて、1日14時間以上はお店にいると言う。

トイレはどうしているの？と聞くと

我慢っす

笑いながら答える。

そんなけんちゃんに興味を持って、
揚げたての串カツを食べながら
一緒に色んな話をした。

アジアからの観光客がものすごく増えていること

アルバイトをしてくれている中国人や韓国人、
アフリカ人など
実はみんなとても勤勉で真面目で驚いたこと

留学生の裕福な子達はやたらお金持ちだけど、
学費を稼がなくちゃいけない留学生も多くて、
とても大変そうだということ

留学生は働く時間が限られているから、
稼ぎが追いつかずに、
仕方なくドロップアウトして
危ない世界に入る人も多いこと。

だから、なんか守ってあげたくなるんっすよねー。
照れながら、なかなかしっかりしたことを言う。

けんちゃんの夢は？
と聞くと

お金を作りたい

即答で答えた。

なんでお金？と聞いたら

ウチ4人兄弟で、ビンボーなんすよ。
下の妹たちがいるから
妹たちが自由に勉強できるように
お金がいっぱい欲しいっすねー

けん兄ちゃん、いい奴やん
ますます好きになっちゃったわよ。

最近の若者は
海外に興味がない
覇気がない
根性がない

なんて言われたりする。
私もそう思ってた。
本当にごめんなさい。

小さなお店のカウンターの中から
しっかり世界を見ているけんちゃん

22歳で妹たちの心配をするけんちゃん

やるじゃないか！
メチャメチャ頼もしいじゃないか！！

すっかりその若者に魅了された。

最後に今はどんなことしたい？
と聞いたら

北朝鮮の人と話したい

ドキッとするようなことを言った。

いろんな国の人がバイトしてくれたけど、北朝鮮だけは一度も来てないから、
どんな生活してるのか、生活大丈夫なん？
とかいろいろ聞いてみたいっすねー

これまた笑顔で外交的発言をさらっと出してくる。

けんちゃん、素敵すぎ。
もはや脱帽、ねーさんタジタジ。

地震大丈夫だったかな。
きっとあのけんちゃんのことだ。
大丈夫だろう。
うん、きっと大丈夫。

また必ず会いに行こう。
頑張れ、けんちゃん！！

大阪で震災に見舞われた皆様に
心からお見舞い申し上げます。